【初心者必見】パルクールでケガをしないために大事なこと【安全第一】

「パルクールってめちゃくちゃケガするんでしょ?」
パルクールを10年以上やってますが、未だにしょっちゅう言われます。
パルクールというと、世間のイメージとしては「危ない」「ケガしそう」「運動神経よくないとできないよ」というのもまだまだあるかと思います。
もちろん、実際そんなメチャクチャ危ないことや無謀なことをやってるわけではないです。
「恐怖心とか感じないんでしょ?笑」みたいに言われることもありますが、それは全く逆で、恐怖心が無かったら何が危険なのか判断がつかないのでケガします。
ワークショップやパルクールジムでは経験豊富なコーチ陣が安全に配慮して丁寧に教えてくれますし、僕はパルクールを知らない人にはよく「パルクールは野球やサッカーと同じくらい危ない(https://idojutsu.jp/beginner/#toc_id_2)」と言ってます。
ぜんぜん危険がないわけではないですが……まぁ一般的なスポーツと同程度のリスクかなと考えています。
ということは、ケガだって一般的なスポーツとさほど変わらないということです。
大会優勝やプロを目指すようなレベルの人とか、正しい練習法がわからなくてムチャしちゃった場合とかなら、骨折や靱帯損傷といった手術が必要な大怪我もしてますが……習い事や趣味程度で楽しくやりたいなーくらいの層の人は、ちゃんと環境を整えて手順を踏んでいれば大怪我なんて滅多にするもんじゃありません。
僕自身もちょこちょこケガはしますが、入院や手術が必要なケガはしたことないです。

ですが、備えあれば患いなしです。
たとえ些細なケガだったとしても、対処法についての知識が少しでもあるのと全く無いのとでは、ケガの治りもかなり変わってきます。
僕が今までの経験から学んだことの一つとして、「ケガをした時の対処は初動が超重要」というのがあります。
ケガをしてしまった時、自分でできる範囲の応急処置をどれだけ素早く丁寧に行えるかで、その後の経過が大きく変わってきます。

ケガしないようにパルクールを楽しむためには何が大事?
もしケガをしてしまった場合にはどう対処すればいいの?
この記事では、特に初心者の方には不安な「ケガ」について、パルクール日本選手権への出場経験もある管理人が自身の経験をもとに解説していきます!
初心者の方や、パルクールに興味はあるけど怖くて二の足を踏んでいるという方にはぜひ読んで頂きたいです!

ケガは2つに分けて考える

まず、スポーツにおいてケガは2つに大別されます。
外傷と障害です。
で、僕は外傷の方をさらに2つに分けて考えてます。外部の外傷内部の外傷です。

……わかりにくいですか?汗

外傷っていうのは、外部からなにがしかの力を受ける形で起こるケガ、はっきりとした受傷のきっかけがあるケガです。
骨折、捻挫、打撲、切り傷etc……。
外部の外傷内部の外傷っていうのは、それが体の外側か内側かという区分です。
切り傷や擦り傷、豆が剥けた、これは外部。
骨折や捻挫、靭帯損傷は内部。
障害っていうのは、練習し過ぎだったり間違ったフォームで動作を続けることで起こる慢性的なケガのことです。
練習し過ぎで膝や腰が痛い、とかです。

外傷も障害も、軽く見ていると後々厄介なことになるケースが多いです。
とくに障害の方なんですが、これは練習を続ける限りはほっといてもなかなか治りません。
好きで始めたパルクールなのに、練習のたびに体が痛くて思うように動けずやめてしまう……悲しいです。
スポーツ障害は病院での治療や投薬では根本的な対策にはならないので、正しい知識をもって自助努力で改善していく必要があります。

パルクールでよくあるケガのパターン

次は、パルクールで起こりがちなケガのパターンを把握しておきましょう。
今まで見てきた中で、自分も含めてプレイヤーの中で特に頻発していたケガをピックアップしてみたいと思います。
あんまり細かく説明しすぎると怖くなってくるかも知れないので、さらっとなぞる程度にします笑

【外傷(外部)】

  • 手の平の擦り傷、切り傷
  • 手首の擦り傷、切り傷
  • 膝や脚の擦り傷、切り傷
  • ロールがうまく出来ず、肩や背中を打撲

【外傷(内部)】

  • 足首の捻挫

【障害】

  • 腰痛
  • 膝の痛み
  • 手首の痛み

このあたりでしょうか。
中級〜上級者になるとまた違ったケガも出てくるんですが、それはひとまず置いておきます。自分が初心者の頃によくやってたのは、手のひらの切り傷すり傷、練習し過ぎで手首を傷める、とかです。
順番に説明していきます。

まず【外傷(外部)】です。
擦り傷、切り傷がダントツで多いイメージです。
そんなに深刻な切創というのはあまり見たことが無いですが、地味に痛ぇなという傷はよく食らいます。
具体的に何でそうなるかというと、手の平に関しては「屋外の凸凹した岩やザラザラの壁で手の平が削れる」という感じです。
初心者の頃はこれがダントツで多かったです。
始めたての頃は手の平の皮もそんなに丈夫ではないので、地元の自然石たっぷりのスポットでよく手の平を傷だらけにしていました。
手の平や指先の傷は水仕事やお風呂の時に困りますし、「職業柄、手はケガできない」と言ってやめていった人も何人か見かけました。
手首に関しても似たようなもので、壁をよじ登る時、慣れないうちは無理な登り方をして手首の内側を傷つけてしまうことがよくあります。
これも屋外練習でよく起こります。
あと、草木が生い茂っている場所だと飛び出た木の枝なんかで手足を切ってしまうこともあります。

対策としては、

  • パルクールジムなどの安全な環境で練習する。
  • 長袖長ズボンの着用

とかになってきます。
やっぱり、パルクールジムを利用するのが一番手っ取り早く有効な対策です。
屋外と違ってオブスタクルが無闇に尖ったりしていないし、思わぬところから飛び出ている枝や部材でケガをする心配もありません。
長袖長ズボンも有効ですが、暑い季節にはツラいものがあります。
手の平に関しては「手袋すればいいんじゃないか?」と思うかもしれませんが、逆に危ないです。
壁を掴んだ時に手袋だけが引っかかって手がすっぽ抜けたり、レールで滑ったりします。
僕もむかし手袋を嵌めて練習しようとしてましたが、そもそも、手袋がすぐ破れました。
屋外の場合は、手を徐々に馴らしていきましょう。
きちんと段階を踏んでいけば、手の平も強くなります。

もし手や指を切ってしまった場合は、非伸縮タイプのテーピングを絆創膏代わりに使うのがオススメです。
非伸縮タイプのテーピングは本来、捻挫なんかの患部をガチガチに固定するっていう内部の外傷の処置に使うものですが、粘着力や耐久性が抜群なので自分は手の傷にはこれを使っています。
粘着部分が直接患部に触れるのがハードコアすぎてイヤだよという方は、普通の絆創膏を貼ってその上からテーピングを巻き付けると良いです。
ほとんど痛くないしハードに動いてもなかなか剥がれないので、オススメです。

あと、「正しいロールのやり方が分からなくて腕や肩、背中、腰の骨を打つ」っていうのも良くありますね。
これもパルクールジムに行くなりして、誰かに教えてもらうのが手っ取り早いです。
ロールは独学で勉強するのが特に難しいところでもあります。
近場に専用施設や練習イベントがないからネットで勉強して自力でやろうという人は、芝生などの柔らかい場所を選んで練習してください。
いきなり硬い地面で無理にやろうとすると、体が拒絶反応を起こして変なクセが付きます。
硬い地面で練習する場合は、厚手のトレーナーとか着ると結構楽になりますよ。

つぎは【外傷(内部)】です。
これは足の捻挫がダントツで多いです。
着地の時に足をグネったり、段差で足を踏み外したり、変な着き方をしたり……。
たかが捻挫といえど、対応の初動を間違えると面倒なことになります。
捻挫は一度受傷した部分にクセが付きやすくなるので、軽く見ずにしっかり手当と再発防止のトレーニングに努めることをオススメします。
対策としては……サポーターやテーピングは有効です!
サポーターは高価な本格的なものでなくとも、薬局に売ってるような簡易版みたいなものでも結構使えます(僕はバンテリンのを愛用しています)。
一度ねん挫した後は足首を支える筋肉が弱っている状態になるので、また捻挫を繰り返してしまう危険も高いです。
サポーターを着用しておくことで、弱っている筋肉を補強して足首を固定する効果があります。
繰り返し使えるので経済的にもグッドです。
テーピングも同様で、足首の補強に効果のある簡単な巻き方が、調べればすぐ見つかると思います。
テーピングは巻き方を変えれば対応する部位や動きも自由に変えることができるので、サポーターより融通が利くのが良い所です。
肌色のテープなら目立たないのも◎です。

あとは屋内施設の利用でしょうかね。
屋内ならふかふかマットもありますし、なによりイレギュラーな謎の段差とかがありません。笑
とくに自然のスポットは木の根っこや大きめの石が思わぬところに隠れていたりして、そいつにやられたことも何回かあります。
足の捻挫と似たような感じで「足の指の捻挫」「カカトを地面に打ち付けて打撲」とかもありますが、この辺りは初心者の方は正しいシューズ選びである程度予防できると思います(シューズ選びについての解説記事はこちら!→ https://idojutsu.jp/shoes/)。

最後は【障害】です。
これがいちばん厄介かも知れません。
腰痛、膝の痛み、手首の痛み……外傷と違って自分自身の取り組み方に起因するケガなので、決定的な解決策というのはありません。
あるとすれば、正しいトレーニングと練習法の知識を学んで実践することに尽きます。
スポーツ障害が起こるそもそもの原因は、間違った知識や間違った感覚を頼りにトレーニングを行うことにあります。
そして、何が正しくて何が間違っているのか、初心者の頃はなかなか判断がつきませんよね。
これもやはり、パルクールジムでプロのコーチに教えてもらうのが最善策だと思います。
僕らみたいに10年以上とかやってきた人間は、色んな遠回りを繰り返してケガやトレーニング法の知識を地道に探ってきましたが、いまそれを皆さんがやるのはあまりにも効率が悪いし、不毛です。
この分野で車輪を最発明するのはケガのリスクも相まってナンセンスなので、これこそプロや熟練者に指導を仰いでほしい所です。
ケガの内訳ですが、自分は最初は腰痛と手首の痛みがありました。
着地のフォームが良くなかったのか、筋力不足か、何かの原因で腰に負担が掛かっていました。
あと手首。手首は本当に悩まされました。
ヴォルトやクライムで手首を酷使していた割に、大したケアもトレーニングもしていなかったので、日常生活に支障が出るレベルで手首が痛かった時期が長く続きました。
まぁ要は2つとも「練習しすぎ」です。
始めてまだ浅い頃だったので、どこが止め時かがわからなかった。
対策としては、「正しいフォームを理解する」「必要な部分の筋トレをしておく」「オーバートレーニングになる前に止める」くらいでしょうか。
いずれも独学ではなかなか正解が掴みづらいところです。

ケガをしないために大事なことは?

前項では、パルクールでよくあるケガの例を見てきました。
では実際、ケガをしないためには何が重要なのか?
僕が思うポイントを箇条書きにしてみました。

  • リカバリの取り方を理解しておく
  • 使う場所を事前に安全確認する
  • 簡単なことから段階を踏んでいく
  • 結果を急がない
  • 周りと比べない

「リカバリの取り方を理解しておく」
これに関しては、ちょっと長くなっちゃうので次のセクションで説明します。

「使う場所を事前に安全確認する」
これは基本のキです。
初心者からプロまで、誰にも共通する大事なことです。
このレール、不安定じゃない?
この壁どれくらい滑る?
着地場所になんか落ちてない?
そこ、人間が乗っても平気な耐久力ある?
本当に死角から子どもが飛び出してこない?
パルクールジムや専用設備の場合はスタッフが責任を持って点検・確認してくれているので安心ですが、屋外だと何があるかわかりません
僕も「まぁいけるやろ笑」と見切発車で飛びついた木の枝がへし折れて、背中から地面に叩きつけられたりした事があります。

こういう用心不足で起こる事故は、ケガの危険だけでなく、歩行者や子どもとぶつかったり、物損の弁償とかが怖いところです
もし手すり等の公共物や、建物の敷地内のモノを壊してしまったり、通行人とぶつかって相手にケガをさせてしまったりしたら……自分だけの問題では済みません。
実際、「大学構内での練習中にレールを壊してしまって、数万円分弁償するハメになった」「公園内の建物の窓を割ってしまい、管理人からその場所でのパルクール禁止令が出てスポットが使えなくなった」なんて話も聞いたことがあります。
自分のためにも、また周りのためにも、使うモノ・場所の安全確認は必ず行うようにしましょう。

「簡単なことから段階を踏んでいく」
「結果を急がない」
「周りと比べない」
この辺は、楽しくケガなく上達するためには特に大事なことだと思います。
よくない流れとしては、「周りと比べて焦る」→「結果を急いで、順序をすっ飛ばして無茶をする」→「ケガをする、思うように動けない」→「周りと比べて〃」というループです。
始めたての頃って、やっぱり周りと比べて自分の進捗に一喜一憂しちゃうんですよね。
後から始めた友だちが自分より上手くなっていく。
初心者講習で他の参加者が気になって、謎にプレッシャーを感じてしまう。
初心者の方でも、周りに置いていかれないように頑張らなきゃと焦ってるように見える人は沢山います。
自分もそうでした。
パルクールやってない友だちにちょっとやらせてみたら普通に自分より上手いし、初めて練習会に行った時は自分を良く見せることに必死でした。
焦りは大敵です。
緊張して体がこわばると、動きが不自然になってケガしやすくなりますし、変なクセもつきやすくなります。
だいいち、そんな状態で練習してても楽しくないですよね。
パルクールは、自分に何ができて何ができないかを理解して、イメージと現実との溝を埋めていくスポーツです。
周りと比べて「あれができたから偉い、これが出来ないからダメ」というようなことはありません。
今はフリースタイルやスピードランといった競技形式のゲームが流行ってますが、大元のパルクールには勝ち負けとか優劣っていう概念はありません。
自分にとって価値のあること、自分がやるべきだと思うことを自信もってやってもらえばいいです。

リカバリの取り方を理解しておく

ケガを予防するためのポイントのなかでも、実技的な部分で最も重要なのはこれです。
リカバリっていうのは、失敗した時に体を守るための緊急回避のことです。
動きによって失敗のパターンは異なるのでリカバリの種類も色々考えられますが、大きく分けると

  • ある程度の高さから落ちた時にランディングやロール(の応用、変形)を使う
  • ジャンプ後に飛距離が足りない場合は壁や対象物を足で蹴り返す

この2つは頻出です。

「ある程度の高さから落ちた時にランディングやロール(の応用、変形)を使う」
ランディングとロールは、初心者講習なんかでも真っ先に教えるところが多いのではないでしょうか?
ランディングは両手両足で行う着地、ロールは受身ですね。
大事なのは、ランディングやロールを教科書通りに行うことではなく、「危なかったら手も使う」「とりあえず回転するとショックが和らぐ」という考え方を理解することです。
僕らが「ランディング」「ロール」って呼んでるあの動きは、武術で言うと型の練習とか演舞みたいなもので、あれが出来るから安心とか、あれをいつでもそのまま使うってわけではありません。
パルクールのなかでも比較的ポピュラーな動きには名前が付けられてますが、それは動作の大まかな枠組を理解するための叩き台みたいなものです。
ランディングやロールを決まったシチュエーション、決まった高さ、いつもの場所で練習していても、いざ失敗した時、先生に習ったのと同じようにそれが出来るとは限りません。
落ちる時の体勢や方向は場面場面で変わります。
失敗した時にいつも練習しているのと同じように落ちるなんて、実際なかなかありません。
そんな時でも、どんな形にせよ両手両足での着地や形だけでも転がっておくっていうリカバリのクセが付いていれば、ケガの回避率もかなり変わってきます。

「ジャンプ後に飛距離が足りない場合は壁や対象物を足で蹴り返す」
ジャンプして壁に飛びつく時や狙った場所に着地する時、ジャンプの飛距離が足りない時があります。
「足りない時があります」とか普通に書いてますが、パルクールやってない人がいざジャンプした後に飛距離足りなかったらめちゃくちゃ危ないです。
本人は届くと思ってるわけですから、パニックになってどんな落ち方やクラッシュの仕方をするかわからない。
そういう時に、咄嗟に蹴り返すリカバリが使えるかどうかでケガの回避率がかなり変わってきます。
具体的にはどういうことか?


こういう感じで、壁とか対象物を足で押し返してあげれば比較的無理のない体勢で下りることができます。
このリカバリが身についていると、失敗した時だけでなく、「ちょっと厳しいかな〜どうかな〜」みたいな力量的に微妙な距離のジャンプも比較的安全にトライすることができます。
足のつき方を変えながら、少しづつ距離を詰めていけるからです。
このリカバリを使えない場合は「成功orやらない」の2択になっちゃうのでキツいものがあると思うんですが、リカバリが使えると中間の選択肢が出来るので安心です。
最初は怖いと思うんですが、慣れてしまえばとても便利なテクニックです。
むしろ、飛距離が足りない時に足を出すのをためらっていると却って危険です。
状況によって両足か片足か、とかも変わってきますが、この辺りはお近くの先生にレクチャーしてもらって下さい!笑(需要あればこのリカバリについての解説記事も書きます!)

他にも、初心者の方だと「ヴォルトで足を引っかけて転倒」というのがよくあるかなと思います。
この辺は冷静に対処すればコンクリでもなんてことありませんが、最初はやっぱ焦って冷静さを欠くと思います。
基本的にはロールがしっかり身についていれば無傷で済むことが多いですが、ヴォルトのリカバリ練習はマットが無いとキツい所もあるので、これも設備を整えて行うようにするのが吉ですね。

リカバリの取り方がわかっていると、「失敗してもこうすればいいや」とミスに対して保険をかけることができるので、いくらか気楽にチャレンジすることができます
失敗できないという気負いが体をこわばらせるので、メンタル的に余裕があるというのはとても大事です。
失敗への対処だけでなく、成功に手を届きやすくするという意味でも、リカバリの練習はとても重要です。

ケガをした場合は応急処置RICEを徹底しよう!

ここまでは、ケガの種類と、ケガを予防するためのリカバリや考え方を紹介してきました。
ケガに対する知識やイメージはいくらか持ってもらえたでしょうか?
つぎは、実際にケガをしてしまった時の対処法についてです。

もし、捻挫や打撲など、練習に支障のあるようなケガをしてしまったら?
その時は、誰でもできる応急処置の基本「RICE」をできるだけ迅速に、丁寧に行ってください

RICEとは何か?
RICEは、Rest(安静), Ice(冷却),Compression(圧迫),Elevation(挙上)という、応急処置の基本をまとめたものです(最近では、ここにProtection(保護)を加えてPRICEとすることもあるみたいです)。
患部に負荷をかけず安静にして、心臓より高い位置に挙上、冷却と圧迫で血流を止める。
挙上というのは、患部を心臓より高い位置に持ち上げて重力で血が回りにくくすること。
圧迫は、布なんかで血管を締め付けて血の巡りを止めることです。
誰でも出来る簡単な対処法です。学校の保健体育の授業でも習いませんでしたか?
ネットに情報がたくさん転がってるので、詳しくは各自調べてみて下さい。

ケガをしてしまった時にRICEをどれだけ急いで丁寧に出来るかで、その後のケガの治り方が全く違ってきます
とくに内部の外傷の場合は、1秒でも早くRICEを行ってください!汗
ちょっとした切り傷とかなら絆創膏貼って家帰ってオロナイン塗りたくっとけばOKですが、捻挫や打撲はほったらかして練習しているとドンドン酷くなっていきます。
昔、ちょっと足首を捻挫してしまった時にケガをナメてて、応急処置を行わずにそのまま練習を続けて、帰り道で足がパンパンに腫れて夜は激痛で一睡もできず、その後しばらく松葉杖を突くハメになったことがあります。
受傷時の捻挫は本当に大したものではなかったので、普通にRICEで対処していれば、翌日にまで尾を引く様なケガではなかったと思います。
ほかにも、ケガをした後の応急処置やその後のリハビリをいい加減にしてしまったケースがいくつかあります。
そのどれにも共通しているのが、「完全には治らなくなった」ということです。
応急処置をしっかり行って、その後も様子を見ながら段階を踏んでケアしていったケガはスッキリ治りましたが……そうでないケガは、95%くらいまでしか回復していません。
残りの5%はずっと違和感として残ってます。
普段の練習ではほとんど気になりませんが、それが何かのきっかけでひどくなったり、歳を取ってから響いてくるということも考えられます。

応急処置は本当に大事です。皆んなと練習していて楽しい気持ちや、もう少しで技が成功しそうでもどかしい!という気持はわかりますが、カラダを削って無理をするだけの価値がそこにあるのか、いったん立ち止まって考えてみてほしいです。
そこで冷静に自分を省みる力があれば、それは普段の練習でもきっと役に立つと思います。

まとめ

以上、「パルクールでケガをしないために大事なこと」について書いてきました。
まとめると、

  • ケガには種類があり、それぞれ予防法はあるが、やっぱり専用施設の利用やコーチに教えてもらうのが手っ取り早いよ
  • サポーターやテーピング、正しいシューズ選びなど、道具に頼れる場合は活用しよう(シューズ選びはコチラをご覧ください!→ https://idojutsu.jp/shoes/)
  • 事前の安全確認をどんな時でも必ず行おう
  • 周りと比べたりして焦らなくて大丈夫
  • リカバリの取り方を勉強しよう
  • もしケガをした場合は応急処置RICEを徹底しよう

こんな感じになります。
地域によってはなかなかパルクールジムやワークショップでの練習が難しい方もいると思いますが、自助努力で出来る範囲のことはどれもそんなに難しくはありません。
ひとつずつ着実にクリアしていきましょう!